大江戸たくどら日記~東京タクシードライバーのブログ~

大江戸たくどら日記~東京タクシードライバーのブログ~

東京の某中堅タクシー会社に50代で転職した仕事を楽しんでる側=タクシー向きドライバーのブログ。

【昨日のヘェ~】TVの刑事ドラマの元ネタみたいなタクシー車内の話。「人生なんて最後までどうなるかわかんないよ」ということらしい。

タクシー車内の会話は、ふつうにサービス業らしく、天気、ニュース、世相、景気、健康、街、店などの世間話から始まることが多い。

 

そして、たまに、予想外の深い話になる。今回はそんな「たまに」の話です。

 

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(はじめての方はこの記事から)

 

タクシー車内の話というのは、その内容や人がどんなに面白くても、

プライバシーの問題もあるし、そのままブログなどに書けないこともある。リアルで面白い話ほどそういうものだと思う。

 

だが、いろいろ配慮すれば、場所や数字など少しアレンジすれば書き残せるようにも思う。

 

自分も忘れたくない話だし、公開する日記(ブログ)にすれば読者にも何かしらヒントにもなるだろうと思うし、

 

伝えなきゃならない貴重な話を聞いた、そんな使命感もあると思うから書くことにした。

 

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で、そのお客さんだが、かなりの資産をつくった人であるらしく、

身なりは農家のおじいさんのようm(__)m;だが、以前もそんなお客さんを何人か乗せているので、それ自体は意外でもないが、

 

、、、雑談すると、

 

所有していた〇〇の〇千坪の土地と家を〇十億円で売った言う。

 

この手の話は最初は眉唾で聞くが、10分も話すと話が嘘か本当かくらいはわかる。

 

ホントらしい。リアル。自然。

 

成功して羽振りがよくなった、、、ただそれだけの話なら、タクシー車内はたまにそんな話も聞くから特に驚く話でもないのだが、

 

このお客さんの場合、そこから先がテレビのサスペンスみたいなドラマチックで引き込まれる展開だった。

 

お客さん曰わく、元々はホームレスだったという。

「、、、んー、、、若い時から働くのが嫌で、〇〇駅のガード下でダンボールで生活してたよ」

 

昔、テレビ東京?でやっていた「マネーの虎」に出演してた、あのなんとかいう社長もそんなプロフィールだったから、そのような人生もオンリーワンではないと思うが、やはり実在の人に会うのは珍しい。

 

「それがまた、どうなってそんな(お金持ち)になっちゃったんですか?」

 

と聞くと、

 

波乱万丈というか、なんというか、久々に「ヘェ~」、、、と言うより「ホンマでっか?」的に興味深い話だった。

 

拙い文章でこのお客さんの人柄は伝わるだろうか、、、

 

ボソボソとした田舎風で少しナマリのある口調。ふくよかでエビス様か布袋様みたい。ちょっと赤ら顔?。気取らない。親近感。ニコニコ笑顔。

 

、、、長くなるので、備忘録として要約メモすると、

 

「、、、20代後半、ダンボールで寝てたら

 

(ほんとに若い時から働かなかったのだな)

 

いい女に出会っちゃった。女子高生。美人、誰もがそう思うよ。

スタイルがよくて、頭がよくて、品があって、、、

 

ありゃ、神様のいたずらだな。

 

なぜかオレはその娘といろいろ話す仲に。話してて楽しかった。オレは浮浪者だったけど互いに相性は良かったみたいなんだな。

 

毎日のように来て話してた。その娘を自分のものにしたくなって、どうしても結婚したくなっちゃったんだよ。

 

彼女の家のチャイムを押すと、両親に追い払われた。

 

(当たり前だよ)

 

だが彼女がいやがらなかったから、親は娘を通じて条件を出した。

 

条件その1「社長になる」

条件その2「普通の三倍稼ぐ」

条件その3「幸せにする」

 

やっかい払い? たしかにそう(^-^)。

 

でも彼女は家を出てアパートを借りた。

 

だけど、約束を果たすまではダメと部屋には入れてくれなかったし、手も握らせなかった。

 

でもオレ、3年でそれができちゃったの。

 

人材派遣会社。

 

なんであのときあれを思いついたのか、、、不思議だね。次に〇〇の会社、、、次に不動産会社。全部うまくいった。

 

偶然。

 

人間先はどうなるか、ホントわかんないよ。

 

、、、、、(人生いろいろ)。

 

それで、〇〇(〇〇区の住宅街)に〇千坪の家を買ったの。馬鹿みたいに安く。

 

(わけあり物件?)

 

女房が死ぬ前、最盛期、オレは〇〇〇億円資産があった。

ももう女房死んだらお金要らないし、お金持つとやれ寄付してくれとか、これやらないかとか、面倒くさい話がたくさん来る。ろくなことない。だましに来るとか、心配事だらけ。

 

女房は〇〇才で脳の病気で死んだ。

わがままな女で苦労したよ。そもそも女を好きになったのが騙されたようなもんだ(^^;)。

 

海外旅行も年に○回連れてかなきゃ嫌だって言うもんだから、、、たぶん、行ったことない国ないんじゃないかな。

 

女房のわがままはとにかくなんでも聞いた。

 

だけど、他の男とだけはつき合わせたくなかったから。だから、社員を見張りにつけたりして、ホント苦労した。

 

(惚れた弱みか)

 

女房は死ぬ間際に、

「私が死んでも他の女と絶対に一緒にならないでね」

って釘刺した。

 

(お客さんの勝ちなのでは?)

 

だから、オレはいまでも女房以外の女を知らないんだ。

 

、、、そう? このまま他は知らないままがカッコイいいのかなー(^^;)

 

会社も家売ったお金も、女房によく似た息子にぜんぶあげた。息子の顔見ると何でもしたくなっちゃうの。なんか困ってたみたいだからさ。

 

生前贈与?、税金しこたまとられて目ん玉飛び出たよ。

 

でも、もうお金いらないし、お金ない方がオレは気楽だから。

 

今は年金でアパート独りぐらししてるよ。

息子がこずかいをくれる。こないだは孫もこずかいくれたし。ありがたくって、神棚に置いたままつかえない。

 

オケラになると人生は気楽。俺はやっぱり働くの好きじゃないから。

 

人間は死ぬまでどうなるか、わかんないよ、、、」

 

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、、、こうして書いてみると、わりとよくあるドラマの筋書きのようでもある。

 

が、逆に、小説や漫画やドラマには実際に聞いた話を元にしていることは多いんだろうな、世の中には、想像できる範囲のことは実際あることも多いんだろうな、などと思ったりした。

 

以上。

 

今回の「大江戸たくどら日記」、、、完。

 

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♫ 勝手にエンディング曲 m(__)m

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by 大江戸巧氏(おおえどたくし)

 

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