【最近話が面白かったタクシー乗客①】日本の祭りに詳しいNY白人男性の人生観。
東京タクシードライバーは年間5,000人以上のお客さんに会う職業で、たまに旧知の仲の様に話が盛り上がることもある。
(はじめての方はこの記事から)
この日タクシーに手をあげたのはNY出身の米国人。
空車でタクシーを流していると、青山の骨董通りでお客さんが手を挙げた。
50代?の白人男性。この辺りも外国人乗客はしょっちゅうだから別段珍しくもない。話すと「NY生まれ」とのことだった。
じつに流ちょうな日本語。日本のことわざにもやたら詳しかった。
「雨になっちゃいましたね。、、、「雨降って地固まる」だとか、、、だとか、日本のことわざは、ほとんど、英語でも同じような意味のものがあるのね、たとえば、、、」
、、、ときた。
こういう外国人に日本のことを聞いてみるとけっこうおもしろいことが多い。
なんとこのお客さん、仕事で日本の全ての都道府県に行ったことがあるらしい。そこまでの人はなかなか居ない。
日本各地の祭りや文化にも詳しかった。
「、、、ねぶた(青森)、カント祭り(秋田)、御柱(長野)、だんじり(大阪)、阿波踊り(徳島)、祇園山笠(博多)あたりはすごい面白かった。、、、東京の阿波踊りとかの祭り、あれは本物じゃない。だいぶ違うみたいに感じる。 本場の祭りの方がぜんぜん面白い。日本は地方が面白いね。みな違ってて食べ物も文化もめちゃくちゃ面白い、、、」
、、、ヘェ~。
この人、じっさいに足を運んでいて楽しそうなのがいい。
「、、、僕? 金融関係の仕事をやってたのね。でもやめて今は自分の事業をやってますよ。アミューズメント関係です。そう、以前は金融マンだからぜんぜん関係ない。僕には金融の人たちはつまらなかったのね。休日一緒にゴルフに行っても、彼らは金融や市況の話しかしないの。世の中にはもっといろんなことがあるのに、彼らは株だとか投資だとか、そのことには詳しいんだけど、他のことは何にも興味がない人たちなの。オフのときでもこんな話しかしない人たちと僕はずっと付き合っていきたくないってわかったの」
「人生は短いし。だってそうでしょう? お金なんかいくらたくさん稼いでもあの世まで持っていけないんだから。もちろん、今のビジネスの資金にはなったからありがたいけど。でもやっぱり、自分が興味のあることをやらなきゃ、せっかく生まれて来たんだからね、、、」
たしかにタクシードライバーになって最近のわたし大江戸の「仕事観」も、好きなら最高だか少なくとも嫌いじゃない興味を持てる(面白みを感じる)内容の実作業(イメージでなく)で、さらに自分らしいスタイルでやれて、必要な分のお金が稼げるならそれがいいと思うようになった。
なので、この白人男性とは共感し、短時間で話が盛り上がったという次第。
さらに、
「、、、僕は元の奥さんとは離婚してもうすっかり友達ですよ。元夫婦だけどいろんな話をする仲。人生は一度しかないから。お互いの幸福を追求した結果の離婚だから。世間体で我慢なんかしない。アメリカ人にはそういう人は多いけど、日本人にはそんな感覚の人はまだあまり多くはないみたいね」
とか、日本の諸事情にもくわしい。
「、、、日本はいい国だし、面白い文化だけど、残念なところがあるね。「自分の頭で考えない」のがスタンダードになってる。周りを気にする。空気を読む。教育がそうだから。でもそれ間違いです。それと家も学校も「失敗」をさせない。失敗をすごく恐れている。なぜ?「失敗は成功の元」だって教えないのはおかしいですね。これは僕がアメリカ人だから言うんじゃなくて、まったくその通りですから」
「、、、僕も自分のビジネスで失敗して最初の会社がだめになって潰れて、その時、ほんとにたくさんのことを学んだのね。失敗することは悪いことじゃない。今のビジネスにものすごく役に立った」
「あなたもやってたの? 何? ウェブビジネス? あれは競争相手が多いから続けるのが難しいんじゃない? 失敗しても気にしないでいいでしょ。人生は一度きりだから。またいつでもやりたいことを見つけたら自由に何度でもやればいいんですよ」
「、、、それと、日本人は仕事を引退したら死んじゃう(自殺?)人が多いでしょう? それ、すごく残念です。人生は仕事やお金儲けだけじゃないでしょ? 僕は仕事を引退したらやることいっぱいあるんですよ。ゴルフでしょ?、旅行に、祭りに、山登りでしょう?、、、どれもお金はちょっとしかかからない。けど楽しいじゃないですか?」
など、、、やはり面白かった。
このお客さんと話していて、話が盛り上がったのは人種や国籍にはまるで関係なく、「話が合う」「肌が合う」「人生観が似ている」ということなのだろう。
今回の「大江戸たくどら日記」、、、完。
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♫ 勝手にエンディング曲 m(__)m
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by 大江戸巧氏(おおえどたくし)
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