【昨日のヘェ~】タクシー車内。今昔物語 d( ̄  ̄)?
街好き・人好き・釣り好きetc.な、、、東京タクシードライバーが、見・聞き・感じたTokyo Taxi Drive. 昨日のへェ~。
(はじめての方はこちらもご覧ください)
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なんだか日本昔ばなしみたいな話なのだが、
先日、都内某所で一人の女性客がタクシーの後部ドアをノックした。
「ちょっと遠くてすみませんが、○○市まで行ってもらえますか?」
と言う。
○○市はここから数十キロの距離
時間は20:00。ざっと2万円くらいになるロングだが、失礼ながら、、、身なりからはあまりお金がなさそうな人に見えた m(__)mから、一瞬迷ってしまったが、真っ直ぐな眼差しからすぐに人柄の良さを感じ、
この人は大丈夫だと、、、Go!
○○市へは片道約1時間半。帰りは空車にはなるだろうがありがたい。
○○市の自宅住所を聞いてカーナビに入力した。外は雨。
ロング客とはなるべく話すようにしている。ご縁だから。話が合えば話は弾む。ほどなくお客さんの身の上話になった。
そのまんまシナリオみたいな、ドラマチックな話だった。
車内のつぶやき。昨日のヘェ~。
あらすじ。
- お客さんは、西日本から、○○市の兼業農家に、長男の嫁として嫁いだ。地味な雰囲気の女性。
- 嫁ぎ先には頑固な舅(義父)がいて、振り返れば、舅の小間使いでタダ働きの数十年だった気もする。
- 親戚から酷いことを言われたりもしたが、どうせ勝ち目はないからと、長く我慢をしてきた。
- まもなく舅の介護が始まった(話からはたぶん姑は既に他界?)。
- 夫は昔かたぎのサラリーマン。土曜も仕事、日曜もゴルフで、とにかく不在。夫の兄弟姉妹たちも頑固な父がいる実家には寄り付かず、仕事やテニスやランチに忙しい。
- 今自分もすでにシルバー世代、、、考えれば、お互いに愛がないのだから、別れた方が良かったのだが、自分には勇気がなかった。
- 長い年月、ボケた舅の下の世話もした。ビニール手袋が痛いというので素手でお尻を洗った。
- ストレスで自分も病気になってしまった。それでも誰も介護を助けてくれず、長い間、辛かった。
- 舅を介護施設のある病院に預けることになり、夫も義姉も、あんたに任す、と。まもなく施設から、親戚と共に来院するようにと呼ばれた。職員から「アザがあります」と。
- 虐待を疑われた。舅はボケて壁や家具に当たり散らすことがあった。そのあざだが、舅は何も言ってくれない。親戚からあることないことを言われ、ショックでうつになった。
- それでも舅の世話のため施設に通った。誰も他に面倒をみる人が居ないから。かわいそうだから。自分も他に行き場所がなかったから。
- そして舅が亡くなる3日前。もう長くはないからと医者に呼ばれたが、自分に罵声を浴びせる親戚の一人と私の2人だけが舅の枕元に居た。その時、舅が目に涙を溜めて私の手を握り大きく口を動かした。口の動きは「ありがとう」だった。
- 舅が亡くなり、それまで寄り付かなかった子供たちが集まった。遺産相続だ。舅が亡くなる3日前に一緒にいた親戚はそれまでとは人が違っていた。皆の前で「ありがとう」の話をしてくれた。涙が出た。
- 遺言書が出てきた。中身にびっくりした。文面には私を相続人にしたとあった。舅はボケていなかった。私に財産を残す手続きを舅は自分自身でしていた。
- 自分の人生はあまりいいことはなかったけれど、神様はちゃんといて、長い時間で本当のことは分かる。魂が浮かばれたような気がした、、、
、、、タクシーはカーナビの示す目的地へ到着した。そこは、手入れの行き届いた裕福な農家の広い前庭だった。
今回の「大江戸たくどら日記」、、、完。
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♫ 勝手にエンディング曲 m(__)m
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by 大江戸巧氏(おおえどたくし)
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