【最近話が面白かったタクシー乗客②】キモノ姿のデザイナーと赤いコート姿の和楽器奏者。
最近タクシーに乗って話したこのお客さん二人のことも書き残しておこう。
(はじめての方はこの記事から)
タクシーに手を挙げたのは和服姿に麦わら帽子のお客さん。
まずは一人目。
休日の渋谷は昼の公園通り。和風だが、長髪、ヒゲ、麦藁帽をかぶった50代?の男性が小走りに道路を渡り手を挙げた。
浴衣に羽織、足袋に下駄。やや中年太り。
肩の力が抜けたさっぱりした粋な感じの人だった。
「、、、いつも着物が普段着なんですよ。仕事はホントは絵描きなんですけど、喰えなくてデザイナーをやってます。え? 自由っていうかなんていうか、長屋みたいな狭いアパートにカミサンと住んでます(^^;)。スマホも携帯電話もないんですよ。仕事も自宅に電話もらって打ち合わせに来てもらってるんですが、なんか追いまわされるのが嫌なんで(^^;)、、、
、、、どこ行くのも浴衣か着物。観劇も食事会も、ぜんぶおんなじ着物でOKだから。なに着るか考えなくていいし、こんな楽な服もないと思いますよ。いつも一張羅でも構わないから楽でしょ(^-^)、、、
、、、こないだ○○年ぶりに実家に帰ったんですけど、、、いいえ、長男なんですけど、、、」
なんだか自由で真っ直ぐ。信念が強くて柔かな人という印象。
わたし大江戸と同世代で、若いとき自分はどんなだったとか、個性を追求した結果、それなりに苦労したといった話だとか、
タクシー車中、なんだか気の合う楽しい10-20分だった。
一期一会。
オモロい人だったなー、と。
、、、もう一人。
少し違うが似ているような印象の人も1セットで記憶しておこうか。それは、、、
手を挙げたのは、シャ乱Q風な?
赤いコートに洒落た赤い靴の伝統芸能の和楽器奏者
なのだというお客さん。東京駅八重洲口のタクシー乗り場から○○劇場まで。急ぎ目で。
関西なまり。ジュリーやシャ乱Qみたいな感じのド派手でお洒落な人だった。
「、、、練習、また遅刻ですわー、、、こんな赤いのチャラチャラ着てると先輩方にいじられるんです。 でもホンマに嫌われたら仕事来なくなりますからね。ほどほどにしとかないと死活問題ですわ(^^;)。
、、、なにしろ、全国で100人くらいしかいない職業で仕事の量が限られてますから。ま、それで食べていけてるところもあるんですけどね。やっぱり閉鎖的ですよ。だから偉い人たちから嫌われないでいかに仕事を割り振ってもらえるか、日々コレ営業です(^^;)。
、、、でも僕らはやっぱり、ホンマの「自由」になってしまったらダメなんですよ。伝統を忠実に引き継ぐのが僕らの仕事ですから。自由なんて考えたらマズいんですわ、、、」
、、、なるほど、伝統の継承の世界というのはそうなんだろうな、と。
で、わたし大江戸、
「タクシードライバーの方はお客さんみたいな自由を好む人も多いと思いますよ(^-^)」
と、、、あっ、余計なことを言ったか?、と思ったが、
このお客さん、意に介さず、自然体のままだった。
、、、○○劇場の楽屋口に到着した。
「運転手さん、スムーズでホンマ助かりましたわ。服、誉めてもらって嬉しかったですわ、ありがとう。じゃあ運転気ぃつけてくださいね。また乗せてもらいます(^-^)」
礼儀作法で鍛えられてるからか、気持ちのいい挨拶をくれた。、、、m(__)m。
今回の「大江戸たくどら日記」、、、完。
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♫ 勝手にエンディング曲 m(__)m
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by 大江戸巧氏(おおえどたくし)
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