【年末ラスト記事】書き残しておきたいタクシーの乗客たち
先日、アマゾンプライムで見た映画のセリフが印象的だった。
(はじめての方はこの記事から)
大竹しのぶ主演の「黒い家」という映画
がそれで、あの大竹さんが震え上がるほど恐ろしい(^^;)ホラー映画なのだが、その中で、心理カウンセラー役?の別の女優さんがこんなことを言っていた。
「人間はみんな違う。人間の中にはそれぞれ全然違う海(宇宙?)のようなものが広がっている。、、、人間をひと括りにしてレッテルを張るような考え方は私は好きじゃないわ」
だいたいこんなセリフだった。
タクシードライバーの仕事もたくさんの人間を見る。タイプ別に一括りに分類もするが、たしかに、似ている人は居てもひとりも同じ人間は居ないと感じる。
しつけ、教育、常識で標準化しきれないのが、野性、個性、パーソナリティーというものだろうか。
満天の星の数ほど。人の形をした魂のようにも感じる今日この頃です。
タクシーの営業はひとつ一つにドラマがある。
やってることは一括りには同じでも、毎回お客さんや会話か違う。変化がある。いろんな人に会う。
最近のちょっと印象に残ったお客さんの言動もまとめて書けばそれなりに記事になる。、、、よし、今回はそれでいこうか!
港区。某都営住宅まで。80才くらい?
「、、、これ? 病気の女房が飯つくるの、それで買い物。、、、お、そこに止めてもらえる? 近くてワルいね。、、、(スーパーのビニール袋を持って) アラヨっと、、、サンキューー!(`_´)」
、、、ほんのワンシーン。年寄りだが体の芯に力がある。張り合いがあるのか? 奥さんが愛しいという感情も感じた。いわゆるリッチではなさそうだが幸せそう、、、そうか。そうなんだな。
とか、
50代?男性客。工務店の?社長さん?を、赤坂から乗車し府中まで送り届けた後、空車で世田谷まで戻ったら無線が鳴った。
営業所(ウチの会社)に電話するようにと。どうやらそのお客さんがタクシー車内にスマホを忘れたらしい。
後ろの床を覗き込むと黒いスマホがあった。メーター倒して構わないからさっきの場所まで届けてくれ、とのこと。で、世田谷からまた府中へ。そして府中からお客さんの自宅までで3,000円くらい。しめて計23,000円也、、、成田空港の片道に近い。
こちらはラッキーだが、お客さんにはとんだ出費だ。だが、楽しく相撲の話などをした後、降りる時もこんなセリフだった。
「、、、じゃあ、そこでいいよ。、、、(お忘れ物はありませんか?)、、、(^-^)また忘れたら洒落んなんないよ、なー。、、、大丈夫みたい、サンキュー。助かったよ(~o~)」
、、、グチの一つもこぼさず、イヤミのひとこともなく、スッとした爽やかな酔客。粋な人というのだろう。
とか、
六本木。20代後半?男二人の会話。
「、、、俺、○○さんは尊敬してる。怒ると怖いけど、あの人をわからない人は結局俺には合わないよ。あの人、見た目ヤクザだけどぜんぜん曲がってないんだ。初めて会ったとき俺にこう言った。「幼稚園で習ったことを実行してくれないか。それだけでいい」って、それだけ。ありがとう、ごめんなさい、元気に、明るくってことかなと思うんだけど。人間、だんだん汚れてくるじゃない? ピュアな気持ちをわすれない。あの人はそれができてる、、、すごくね?」
、、、居そうで居ない。カッコいい人なんだ、、、。釣り銭を渡すときチラと見た。一見チャラ男のこの若いお客さんも、まっすぐな目をしていて、なんだか納得。
とか、
都内某所の高級住宅街で。80くらい。
「どっこいしょ、○○のオバチャンよー。オニイちゃん、(私が乗るのは)はじめてかしら?(^-^) 近くだけど多めにあげるから連れて行って頂戴ね、、、私ここに58年間住んでるの。皆いい人ばかりで、、、あ、そこでいいわー(^-^)」
570円の近場だったが2,000円もくれて、
「、、、うん、いいの。多めにあげるんだから(`_´)。、、、ここの下にウチの駐車場あるから、あそこよ、わかるー? なんかあればいつでも来てね(^-^)。じゃーね(^-^)」
、、、と、しわくちゃな顔の可愛らしい目でこっちを覗き込んだ。どうやら大地主さんみたいだけど、よく正月だとこんな人がお年玉くれたりもするけれど、このお客さん、毎日誰にでも?これをやってるのか?などと思うと、これは修行である。頭が下がった。
など。
以上、今年最後の記事です。
よいお年をお迎えくださいm(__)m。
今回の「大江戸たくどら日記」、、、完。
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♫ 勝手にエンディング曲 m(__)m
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by 大江戸巧氏(おおえどたくし)
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